筋トレにおいて最も重要なトレーニングとは何だろうか。胸を鍛えることであったり、背中を鍛えることであったり、答えは人それぞれ違うかもしれない。だが、人体の構造において考えると答えは1つである。それが、ブリッジだ。多くの人がこのトレーニングに力を入れないことによって、結果的に脊椎の怪我にさいなまれている。ブリッジは怪我を予防し、脊椎の筋肉を強固にし、体全体を鍛えあげる、最良のトレーニングである。以下に詳しく説明していこう。
脊椎の筋肉を鍛えあげる
もし世界一重要なトレーニングをあげるとすれば、それはブリッジだ。これに勝るものはない。
スクワットは大きく強い足をつくるし、プッシュアップは胸を強化する、プルアップは背中を強化するだろう。多くの書籍は、体を大きくするため、あるいは見た目を良くするためのトレーニングの紹介に注力している。そこでは、ブリッジについての記事は見たことがないはずだ。ジムに行ったとしてもブリッジをしている人はいないだろう。ブリッジについて誰も詳しく説明してくれないし、アスリートでさえも、ブリッジの正しいやり方を知っているものはほとんどいないかもしれない。
これはなぜか。現代社会では、できることよりも見た目が重視されるからだ。自分の腕をいかに太くするかしか考えてない人もいる。
これは恥ずべきことだ。人間の動作において、脊椎の筋肉と言うものは、胸の筋肉よりもとてつもなく重要なものであるからだ。
脊椎とは
人間の体において最も重要なのは、筋肉ではない。心臓や肺といったものでもない。それは、脳である。人間の動きの全てを司っているのは脳なのだ。
次に人間の体で重要なのが脊椎である。これは、脳が体全体と通信をする経路だ。脳が健全であったとしても、脊椎が傷ついていると体を満足に動かすこともできない。
脊椎はとてつもなくデリケートである。もしこれが充分に守られていなければ、いとも簡単に傷ついてしまう。この重要性によって、脊椎は進化の過程においてしっかり保護されてきた。脊椎には多くの筋肉がついており、この動きを制御し保護するようになっている。これらは脊柱起立筋群と呼ばれる。
これらの筋肉なしでは、歩くことも、立ち上がることも、体をひねることも、首を回すことさえできないのだ。
ブリッジは、これらの筋肉や腱の全てに効果があるエクササイズである。
脊椎をしっかりと守り、常に健康な状態でいるためにできることは、脊椎を支える筋肉を強くすることだ。よく食べ、よく眠り、常に健康でいるためにやるべきことは、とてもシンプルなのだ。
脊椎と運動
脊椎は、車でいうと、動力を伝えるユニバーサルジョイントのようなものだ。どんな動作においても、そこから生まれた負荷は脊椎を通るようになっている。もし脊椎が弱っていたとすると、あなたはそれらの動作にトラウマを感じるだろう。脊椎の筋肉を鍛えることは、より脊椎の怪我なく体を動かせるということだ。
スポーツにおいての怪我の予防ばかりでなく、脊椎の筋肉は基本的な身体の動きにおいても重要な働きをしている。脊椎の筋肉を鍛える事は、体の動作全てにおいて良い効果があるのだ。
ここまでくると、脊椎の筋肉トレーニングをないがしろにするということは、まるで皮肉のようにも聞こえる。どんな筋肉よりもまず、脊椎の筋肉を鍛えるべきなのである。だが、ほとんどのアスリートはどうすれば良いかわからない。アスリートにとって、脊椎の痛みというのが世界的にも1番多いのはなぜか?簡単なことだ。脊椎の筋肉トレーニングをほったらかしているからである。
ブリッジの効果
そこで、解決法がある。これは究極の解決法である。ブリッジだ。ブリッジはシンプルなエクササイズだが、脊椎に関する全ての問題を解決してくれるのだ。
二足歩行を始めてから、人類は脊椎に余計な負荷がかかるようになった。四つ足で歩く動物にとっては脊椎の問題は少ない。これは、人類にとって持って生まれた問題なのだ。現代人は、デスクワークによって脊椎に負荷がかかる姿勢で長時間過ごしている。これによって、脊椎に関する問題はさらに増加している。
たとえ週1回のブリッジエクササイズでもこれら全ての問題を解決することができる。正しい方法、正しい負荷で行うことで、筋肉だけでなく骨さえも強くなる。脊椎がしっかりとすることで、血流さえも良くなるのだ。ブリッジは、体全体を健康にする。
これらの効果だけでなく、ブリッジは動作そのものも力強くしてくれる。ブリッジは脊椎の筋肉に関する究極のエクササイズなのである。実際に、ブリッジをするときには足や腕や肩といった多くの筋肉を使う。体の前面すべてをストレッチさせる。スポーツにおいても、通常の生活においても、その効果は計り知れない。
ブリッジの効果はさらに述べることもできるが、やめておこう。言いたい事はひとつだ。「ブリッジは背中の痛みを回避し、より強く、より軽快に、より健康にしてくれる。あなたは、ブリッジをやるべきだ」
ブルースリーの背中
ブリッジをしている時、背中はアーチを描いている。これは外部的な負荷がないので、脊椎にとって安全である。1970年にブルースリーはバーベルを使ったグッドモーニングエクササイズで背中を痛めてしまった。だが、その後、彼は自分の体重を使ったトレーニングによって脊椎の筋肉を回復させたのだ。
ブリッジの文化
西洋ではブリッジはあまり浸透していない。だが、東洋においてブリッジはエクササイズの王とみなされることもある。カンフーのトレーニングでは、ブリッジのバリエーションが豊富だ。足ながら、インド以上にこのエクササイズを追求している国はないだろう。ヨガではブリッジのたくさんのエクササイズがあり、アーユルヴェーダには、脊椎の重要性が記されている。
優秀なパワーリフターたちもブリッジに取り組んでいる。レスリングにとってもその重要性は明白だ。アメリカのすべて学生に若年からブリッジを教えれば、背中の痛みや脊椎の怪我はほぼ全てなくせるだろう。
赤ちゃんへのキス
ブリッジをするときも、プルアップと同じように、2秒間で体を持ち上げ、1秒止まり、2秒間で元の姿勢に戻るようにする。ちょうど赤ちゃんの額にキスをするときのようなイメージである。
ブリッジの4つのポイント
- 脊椎はアーチを描かせること。これは単純なことに思えるかもしれない。だが脊椎の筋肉が弱いと、腕や足で体を支え、背中がまっすぐになってしまっていることがあるのだ。
-
尻は床から高く上げること。完璧なブリッジでは、尻は、頭や肩の高さよりも上がっていなければならない。これは自分では見れないので、写真に撮ったりしないといけない。
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腕や足はまっすぐにのばすこと。腕をまっすぐに伸ばすのは簡単かもしれないが、このとき、足も同じようにまっすぐ伸ばさなければいけない。足の高い柔軟性が必要になる。
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呼吸は深く、スムーズにすること。肺や胸が圧迫されるので呼吸が短くなりやすい。自然な呼吸はこのポーズをマスターしたという指標になりやすい。ブリッジ中は、息を止めたりしないこと。
これはステップ6のフルブリッジからのポイントである。それ以前のステップでは、4番以外は気にしなくても良い。
完璧なブリッジはこの4つのポイントを抑えていなければならない。3つ抑えているのならばそこそこ良い。2つ抑えているのならば引き続き練習する。1つあるいは全く無理な場合は、それはブリッジとは言えない。
最初は完璧にできなくとも良い。練習をすればするほど、あなたの体は強くなっていく。そうしていつか、4つのポイントをクリアすることができるだろう。
ブリッジをマスターするまで
ブリッジはとても重要なエクササイズだが、すぐに始めようとしてはいけない。これは、怪我の恐れが大きいからだ。
ではどうすれば良いのだろうか。ブリッジを始めるときは、基礎的な筋力を徐々につけていくことだ。スクワットであったり、レッグレイズであったり、他の囚人のトレーニングを続けていくことによって、ブリッジをするときの筋力を養うことができる。
最初の3ステップはどちらかというと、リハビリに近いエクササイズだ。やってみると、脊椎の筋肉がじわじわと熱くなってくるはずだ。これは効いているということである。
焦ってはいけない。脊椎の筋肉は、他のトレーニングよりもかなり慎重に鍛えていかなければならない。怪我をしやすいからだ。
次の3ステップは徐々にフルブリッジに向かっている。ステップ6まで来たら、ここで多めに時間を使おう。数ヶ月かけても良い。先述のポイントに従って、良いブリッジと、悪いブリッジに気づくようになって欲しい。順番にステップをこなしているならば、あなたの体はそれができるようになっているはずだ。
ステップ6で、良いブリッジが完璧にできるようになったならば、あなたの脊椎はほとんどのアスリートよりも、強固で柔軟なものになっているだろう。だが、旅はここで終わりではない。以降のステップはブリッジのさらに応用である。ブリッジから立ち上がり、またブリッジに戻るということをできるようにするのだ。これが10回できるようになったら素晴らしい。ここまで来ると、脊椎が強靭なだけではなく、体全体が強くなっている。エクササイズを見た人も驚くだろう。
注意点として、事前に言っておこう。スクワットとレッグレイズをステップ6まで進めてない場合は、ブリッジのステップ6から先をやってはいけない。
ブリッジシリーズ
Step 1: ショートブリッジ
やり方
仰向けに横になり、膝を立てる。手は腹で重ねておく。足は肩幅かあるいはそれより少し狭めに開く。
足に力を入れて、尻を床から浮かせ、太もも、腹部、胸部がまっすぐになるようにする。この時、尻は落とさない。体を持ち上げる時に息を吐き、下ろすときに息を吸う。
効果
ショートブリッジは、怪我の恐れなく脊椎を鍛えてくれるエクササイズだ。このような曲げたり動かしたり、といった動作は日常生活にも含まれているからだ。脊椎の筋肉と尻の筋肉が、外部の負荷なく刺激される。リハビリにもちょうど良い。
ゴール
- 初級: 10回1セット
- 中級: 25回2セット
- 上級: 50回3セット
TIPS
ほとんどの人がショートブリッジを問題なくできるだろう。だがもし難しい場合は、枕やクッションを尻の下にいくつか置いて、体を動かす幅を狭くしてみて欲しい。
Step 2: ストレートブリッジ
やり方
足を前に出して床に座る。膝をまっすぐにのばして、足は肩幅にひらく。手のひらは尻のちょうど横くらいで床につける。その時、指先は足の先のほうに向ける。体を起こし、胴体と足が直角になるようにする。
腕に力を入れ、足と胴体がまっすぐに線を描くように、尻を持ち上げる。顎を上げ、視線は天井を向ける。の時、体重は手のひらとかかとにかかっているだろう。息を吐きながら体を持ち上げ、息を吸いながら体をおろす。
効果
ショートブリッジが足を使って脊椎の筋肉を鍛えるエクササイズだとすると、ストレートブリッジはそれを腕で行うエクササイズだ。これには、腕だけではなく肩の筋力も必要である。
ゴール
- 初級: 10回1セット
- 中級: 20回2セット
- 上級: 40回3セット
TIPS
もしストレートブリッジが難しい場合は、てこの原理を減らすことで易しくできる。足をまっすぐ伸ばすのではなく、少し曲げるようにしてみるのだ。それで同じ動作をやってみる。それでもまだ難しい場合は、少し体を後ろに傾け、尻を数センチだけ持ち上げる。この部分的な動作から、徐々に鍛えていく。
Step 3: アングルドブリッジ
やり方
アングルドブリッジをするときには、およそ膝位の高さか、あるいはそれより少し高い位の台を使う。ベッドは少し高めかもしれないが、それでも大丈夫だ。ベッドの端に座って仰向けになり、足の裏はぴったり床につける。腕はおよそ肩幅に開く。尻を少し浮かせて、手を頭の両側におく。その際、指先は足側に向けること。
背中がアーチを描くように尻を持ち上げる。頭と体がベッドから離れるまで持ち上げるようにする。最初は数センチだけでも良い。目線は後ろのの壁を見るようにする。腕は完全に伸びてなくとも良い。肘も曲がった状態で問題ない。
効果
アングルドブリッジは、手首を強化し、後のエクササイズに向けて肩と胸を開く準備をする。この動作は前回のエクササイズより柔軟性が必要になってくる。
ゴール
- 初級: 8回1セット
- 中級: 15回2セット
- 上級: 30回3セット
TIPS
もしアングルドブリッジが難しい場合は、もう少し背の高いものを使ってみる。テーブルや机などが良いかもしれない。
Step 4: ヘッドブリッジ
やり方
床に仰向けになる。尻から少し離れたくらいにかかとを置いて、膝を曲げる。頭の両側に、指先をつま先のほうにむけながら手を置く。その時、肘は天井を向いているはずだ。尻をできるだけ持ち上げ、背中がアーチを描くようにする。頭のてっぺんを、軽く床につける。
尻を持ち上げ、ブリッジをする。元の姿勢に戻るときには、頭を床にぶつけないようにする。エクササイズ中は、常に背中のアーチを崩さないようにする。
効果
姿勢を保持した状態でトレーニングするヨガと違い、ここでは体を動かしながら筋力をつける。この短い幅の動作で、後のブリッジの動きを学ぶことができる。
ゴール
- 初級: 8回1セット
- 中級: 15回2セット
- 上級: 25回2セット
TIPS
最初のブリッジの形が難しい場合は、背中の部分にクッションや枕を二、三個置いてみる。頭を床につけることができないときは、動きの幅を狭くしてみる。そこから徐々に広げていく。
Step 5: ハーフブリッジ
やり方
このエクササイズはバスケットボールやサッカーボールをフォームの確認に使う。床に座り、背中のあたりにボールを置く。仰向けになって、肩と足の裏だけに負荷がかかるようにする。足は肩幅かあるいはそれより少し狭めにひらく。背中のあたりにボールを置いて、少しだけ補助に使う。この姿勢がやりづらいときは、タオルやクッションをボールの上に置いても良い。指先を足のほうに向けて、頭の両側に手を置く。体を持ち上げ、足の裏、ボール、手のひらだけに負荷がかかるようにする。
尻をできるだけ持ち上げるように、腕と足を伸ばす。背中が完全にアーチを描くようにする。元の姿勢に戻るときは、背中を軽くボールにつけるようにする。決してボールの上で、体を休ませない。
効果
このエクササイズは、ステップ6のフルブリッジの半分の動作となっている。
ゴール
- 初級: 8回1セット
- 中級: 15回2セット
- 上級: 20回2セット
TIPS
難しい場合は、動作の幅を狭くしてやってみる。
Step 6: フルブリッジ
やり方
仰向けになって、尻から少し離れたところまで足を引きつけ、膝を曲げる。足は肩幅かあるいはそれより少し狭いくらいに開く。指先を足の方へ向けながら、頭の両側に手をおく。
尻を出来るだけ高く持ち上げ、体を床から離す。背中はアーチを描くようにする。完璧なブリッジでは、腕はまっすぐでなければならない。頭は少しだけ後ろに傾いた状態で、背後の壁を見るようにする。元の姿勢に戻るときにはゆっくりと行う。尻、頭、背中を床につけ完全に体を休ませる。
効果
フルブリッジは難しいエクササイズだ。体の深層の筋肉や、脊椎の筋肉、血液循環にも効果がある。
ゴール
- 初級: 6回1セット
- 中級: 10回2セット
- 上級: 15回2セット
TIPS
完璧なブリッジを最初からできなかったとしても、辛抱強く練習を続けてほしい。尻を出来るだけ高く持ち上げるようにすることが、完璧なブリッジができるようになるコツである。
Step 7: 壁歩きブリッジ(下方向)
やり方
およそ腕1本分ぐらい壁から離れて立つ。もし不安な場合は、もう少し近くに立って位置を調整する。足は肩幅に開く。背中をそらす前に、尻を前方に突き出すようにする。あごを上げて体をそらしていく。背面の壁が見えるところまでゆっくりと体をそらす。背面の壁が見えたら、腕を上げて手のひらを壁につける。およそ頭の高さくらいが良い。
少しずつ体重を手のひらにかけて、片手ずつ下に下がっていく。壁を伝って歩くようにする。床に近づくにつれて、少し壁から体を話す必要があるだろう。これは必要な距離分だけで良い。手が床に着いたらフルブリッジの姿勢にする。ここまでいけば、背中を床に下ろし、立ち上がる。
効果
下方向に向かって壁伝いをするのは、上方向よりも易しい。最初はこのステップをマスターしてほしい。
ゴール
- 初級: 3回1セット
- 中級: 6回2セット
- 上級: 10回2セット
TIPS
最初はこのエクササイズがうまくいかない人の方が多い。練習を続けることによって徐々にできるようになってくるはずだ。
Step 8: 壁歩きブリッジ(上方向)
やり方
まずは直立した状態から、前回のステップのように、手で下方向に歩いていき、フルブリッジの姿勢になる。片手を壁につけて、押すようにする。そこから、上方向に壁伝いに手で歩いていく。もう片方の手を壁につける最初の部分が、1番難しいだろう。
体がほぼまっすぐになるまで、上方向に手で歩いていく。
壁をゆっくり押して体を離し、直立する。直立した状態から体を下ろしていき、また戻ってくる、これが1回である。
効果
下方向の壁歩きができたとすれば、今度は上方向の壁歩きをマスターしよう。これは、柔軟性についてはさらに必要になることはないが、重力から体を離すときの力が必要になる。
ゴール
- 初級: 2回1セット
- 中級: 4回2セット
- 上級: 8回2セット
TIPS
ステップ7と同じように、このエクササイズの攻略法も、少しずつ動作の幅を広げていくところにある。上方向に移動できた幅を、付箋などを使って目印にしてもいいかもしれない。
Step 9: クロージングブリッジ
やり方
直立して、足はおよそ肩幅に開く。後ろ側に、少なくともあなたの背の高さ分のスペースをとっておく。手を尻に置き、胴体を前方に押し出す。
胴体が前方に出るにつれて、膝を曲げ、背中をアーチ状にする。頭を後ろに傾け、後方を見る。これらを一回の動作で行う。床が見えるようになるまで、背中をアーチ状にし続ける。床が見えたら、尻から手を離し、背中の方へ腕を持ってくる。
手のひらが床につくまで腕を伸ばす。フルブリッジの姿勢になる。もう一度立ち上がってこれらを繰り返す。
効果
このエクササイズの動きは、かつてないほどの難しさだ。これは次のステップをマスターするための、エキセントリック動作やネガティブ動作を含んでいる。
ゴール
- 初級: 1回1セット
- 中級: 3回2セット
- 上級: 6回2セット
TIPS
体をそらして、手のひらがゆっくりと床につくようになるまで練習しなければならない。難しいのであれば、椅子に手をつけるようにしてみる。そこからだんだんと手をつくものを下げていく。
Master Step: スタンドトゥースタンドブリッジ
やり方
クロージングブリッジをして、フルブリッジの姿勢になる。この姿勢から、体重を太ももにかけていき、腕に力が入るようにする。
手を押して、床から離す。背中はかなりのアーチが描けるように柔軟でなければならないし、腹部も強くなければならない。
体が直立するまで尻を持ち上げる。手は側面におく。このエクササイズは、勢いを使ってやるのではなく、ゆっくりと体重を移動するように行わなければならない。直立した状態からフルブリッジの状態になり、また直立した状態に戻ってくる。これが1回である。
効果
これが究極のブリッジテクニックである。これが何度もできるようになれば、体は間違いなく鍛え上げられているはずだ。
ゴール
- 初級: 1回1セット
- 中級: 3回2セット
- 上級: 10-30回2セット
TIPS
クロージングブリッジと同じように、階段のように徐々に深さを変えていく。足をとても大きく広げてやってみるのもいいだろう。
さらに高みへ
もしマスターステップに習熟したならば、表面だけでなくその深層部分も含めて、あなたの脊椎の筋肉は信じられないほど強固なものになっているだろう。アスリートや格闘家でさえも、直立の状態からブリッジをしようとしたときには尻餅をついてしまうのだ。
ブリッジシリーズは、脊椎の筋肉の強さだけでなく、その連携や柔軟性も鍛えてくれる。前述したように、ブリッジエクササイズは体にとって果てしなく多くの恩恵がある。
もし最後のステップをマスターしたならば、その先には何があるのかと考えるかもしれない。だが、ブリッジは脊椎の筋肉の強化や柔軟性を高めるだけではなく、それ自体で、体全体に作用するトレーニングなのだ。スタンドトゥースタンドブリッジ以上の事を、基本的にはする必要はないのだ。
重りを使ってブリッジの負荷を上げていくことには、脊椎への怪我やダメージの危険が伴う。また、手を足の近くにつくことによって柔軟性を高めていくのも、実用性の面から言うと、ある程度に留めておくべきだろう。
もしそれでも、スタンドトゥースタンドブリッジの先を探しているのだとすれば、2つの道がある。1つ目は、ブリッジの状態から足を蹴って逆立ちの姿勢になるトレーニングだ。そこからまたブリッジに戻る。もしこれを練習するときには、背中のあたりに必ずクッションを置いておいた方が良い。これは、鞭のような柔軟性と筋肉を作り上げてくれる。これを練習するときには、スタンドトゥースタンドブリッジをマスターし、ハンドスタンドプッシュアップを少なくともステップ4まで進める必要がある。
もう一つは、台の上からスタンドトゥースタンドブリッジを行うことだ。これによって外部からの作用なく、負荷を高めることができる。だが、このエクササイズを始めるときは、慎重にゆっくりとやって欲しい。手首にかかる負担も大きくなるからだ。
まとめ
ブリッジはとてつもなく優秀なエクササイズである。体における効果は計り知れない。だが注意点がある。脊椎はとても繊細な部位なので、決して焦ってステップを進めてはいけないということだ。以下にまとめておく。
- ブリッジシリーズは、他のビック6トレーニングよりも、さらに時間をかけて慎重にステップを進めていかなければならない。
- 1つのステップで数ヶ月かかったとしても、焦ってはいけない。期間ではなく、何ができるようになったかを考えるようにする。
- もしどこかに痛みを感じるのであれば、必ず休むこと。
- 痛みがある状態で、絶対に無理をしてトレーニングをしない。
体を鍛えるトレーニングをしている人であっても、脊椎の筋肉においてはあまり深く考えてない人が多い。だが、ここは人体にとって最も重要な部位のひとつである。ブリッジシリーズで脊椎の筋肉をしっかりと鍛えることによって、怪我をしなくなる事はもちろん、体全体のパフォーマンスが飛躍的に上がってくる。先へ先へと進もうとせず、エクササイズを習慣にするようにして、ゆっくり丁寧にステップを進めていって欲しい。
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