有酸素運動は嫌いという人も多いのではないだろうか?
確かに時間がなかったり面倒だったりすることもあるだろう。
だがお腹のダイエットにおいて、有酸素運動は筋トレと同じように重要な役割をもっている。
カッコイイお腹を手に入れた人は必ずやっているといってもよいのだ。
実は、有酸素運動が苦手な人にとっても簡単に実践できる方法がある。
まずは有酸素運動の役割を理解してから、お悩み別に用意した3つのプランを参考にして、今日から取り組んでみてほしい。
目次
お腹の体脂肪を直接減らす
フッキンをやればお腹の筋肉をつけることができる。だが、これだけやっていてもお腹に溜まった体脂肪を効率的に減らすことはできない。
どんなに腹筋を鍛え上げても、その上に分厚い皮下脂肪がのっていてはお腹は出たままなのだ。
フッキンももちろん大事だが、お腹の体脂肪を直接減らす努力をするのも大事なことである。
体脂肪撃退の有酸素運動
そこで効率的に体脂肪を減らすことができる方法のひとつが有酸素運動である。
有酸素運動とは、息が少し弾むくらいの軽い運動をリズミカルに長く続ける運動のことだ。
具体的には、ウォーキングやジョギング、自転車や水泳といったものがある。
基礎代謝アップと有酸素運動
フッキンや筋トレは基礎代謝をアップさせて結果的に体脂肪を燃やすことができるが、有酸素運動は直接に脂肪を燃やすことができる。
基礎代謝アップと有酸素運動は、体脂肪を減らすクルマの両輪なのだ。
筋トレと有酸素運動の複合技
カラダの基本的なエネルギー源は、糖質(炭水化物)と脂肪である。糖質と脂肪がどんな割合で使われるのかは、運動の強度で決まるようになっている。
フッキンのようにぶっ通しで長時間続けられない運動が、いわゆる「筋トレ」である。これは強度が高いので、基本的には糖質がエネルギー源となる。
それに対して、有酸素運動のように何十分でも続けられる強度の低い運動は、もっぱら脂肪が使われる。
フッキンや筋トレで代謝を上げれば体脂肪は徐々に減らすことができるが、それをさらに加速させるのが有酸素運動ということだ。
筋トレと有酸素運動の複合技が、お腹のダイエットにとっての最短ルートなのだ。
糖質と脂肪の違い
緊急時の糖質、安静時の脂肪
エネルギー源である糖質と脂肪の役割をもう少し詳しく見ていこう。
糖質はいざというとき素早くエネルギーに変わるのが特徴である。
脂肪は糖質よりもゆっくりエネルギーに代謝されるが、そのかわり安定的にエネルギーを供給することができる。
糖質はカラダにとっての緊急時のエネルギー源で、脂肪は安静時のエネルギー源というわけだ。
実際、通常は平均すると脂肪と糖質はおよそ2:1の割合で利用されている。
糖質と脂肪の貯蔵量の違い
糖質と脂肪は貯蔵量も全く違っている。
脂肪は体内に何十キロも貯めておけるが、糖質は筋肉と肝臓に多くて500g程度しか貯められないようになっている。
糖質をじゃんじゃん使うような強度の高い運動すると、もともとあまり多くない糖質の貯蔵量はどんどん減っていく。しばらくして運動はストップし、それ以上できなくなる。
血液中で酸素を運ぶ赤血球にとっても糖質が唯一のエネルギー源だ。脳細胞にとっても糖質は重要なエネルギー源なので、カラダがこれ以上糖質が減るのは危険と判断して疲労感をもたらすのだ。
その点、有酸素運動であれば、たっぷり備蓄された脂肪をどんどん燃やして有効活用し、長時間運動が続けられるということだ。
遅筋と速筋のエネルギー源
脂肪と糖質では使われる筋肉のタイプも対照的である。
筋肉は筋繊維という細胞をたくさん束ねたもので、筋繊維には遅筋繊維と速筋繊維があるのを聞いたことがあるかもしれない。
遅筋は収縮する速度が遅く小さい力しか出せないようになっているが、速筋は素早く収縮して大きなパワーが出せる。
すべての筋肉には遅筋と速筋が両方備わっていて、強度の低い運動では遅筋、強度の高い運動では速筋が主に働く。
遅筋は糖質も脂肪も利用するが、速筋は糖質しか使えないというのが特徴だ。
だから、強度の低い有酸素運動すると遅筋が活躍するので、メラメラと脂肪が燃えていくということだ。
なぜ有酸素運動で体脂肪が消費されるのか?
ここまでわかったら、さらに理解を深めるために有酸素運動で体脂肪が消費される仕組みを詳しく学んでおこう。
常に分解されている体脂肪
分厚くお腹についてしまった体脂肪は、山のように動かないわけではない。体脂肪は毎日休みなく新陳代謝しているのだ。
脂肪細胞に蓄えられた体脂肪(中性脂肪)は、ホルモン感受性リパーゼという酵素の作用で、脂肪酸に分解されて少しずつ血中に放出されている。
脂肪酸の分解量は、安静時では消費量の2倍程度である。
運動しなければ、使われなかった脂肪酸は肝臓で処理されて最終的には元の脂肪細胞に逆戻りすることになっている。
せっかく分解されたのに、またお腹の脂肪になってしまうということだ。
ATPとADP
一方、運動中にエネルギーをせっせと使ってくれるのは筋肉の細胞である。
筋肉の直接のエネルギー源はATP (アデノシン三リン酸)という物質だ。ATPがADTに変わるときに発生する化学ネルギーで筋肉は活動することができる。
ATPの貯蔵量はごくわずかなので、運動を続けるには分解されたADPをATPに戻してリサイクルしなくてはならない。そのために利用されるのが糖質と脂肪なのである。
糖質と脂肪の旅
糖質は細胞質で行われる「解糖系」という反応を経て、1分子の糖質(グルコース)から2分子のATPを作る。このときピルビン酸という代謝物が生まれる。
脂肪酸が運ばれるのは、細胞の発電所という異名を持つミトコンドリアである。脂肪酸はアセチルCoAに変わり、「TCA回路」というサイクルに入る。解糖系でできたピルビン酸も、やはりミトコンドリアでアセチルCoAとなって、TCA回路へ行く。
そうしてTCA回路がぐるりと1回転すると、最終的に8つの水素分子が放出される。
これがお隣の「電子伝達系」に導かれ、水と二酸化炭素に変わるプロセスで1分子のアセチルCoAから12分子のATPがめでたく再生されるのだ。
さて、ここまで読むことができただろうか?
有酸素運動と呼ばれる理由
解糖系では酸素は不要なので、糖質を使って瞬時にエネルギーを出したいときに役立つ。
ミトコンドリア内で行われるTCA回路と電子伝達系は、反応を進めるために各所で酸素が仲立ちをしている。
ここで酸素が供給されないと反応がたちまちにストップしてしまうのだ。
これが脂肪を効率的に燃やす低強度の運動のことを「有酸素運動」と呼ぶ理由だったのだ。
なるほど納得というところだ。
どうしても有酸素運動をやりたくない人のための3プラン
ここまでしっかり熟読したなら、有酸素運動のありがたみがわかってきたはずだ。
有酸素運動をやりたくなっただろうか?
それでもどうしても有酸素運動はやりたくないという人のために3つのプランを用意した。ぜひ腹をくくって取り組んでみてほしい。
「カラダが重い」からやりたくない!
カラダが重いからジョギングなんてできない。という人にはこちらの記事。カラダが重くてもできる有酸素運動はあるということだ。
「退屈」だからやりたくない!
有酸素運動は退屈だから続けられないという人もいるはずだ。工夫することによって日常に有酸素運動を取り入れられるようになっている。
「時間がない」からやりたくない!
もしかしたら時間がないから有酸素運動ができないという人が1番多いのかもしれない。実は、有酸素運動は少しずつでも貯めることのできるポイントカードシステムなのだ。
トレーニングが終わったあとは栄養補給を欠かさないこと
トレーニングをした後はプロテインもしっかり補給しておきたい。
日本人はカロリーを抑えすぎるあまりに、体をつくるために必要なタンパク質がキチンととれていない人が多い。
プロテインは余計な脂質や炭水化物を摂取することなくほぼタンパク質のみを補給できる優れたサプリメントだ。
プロテインは良質なタンパク質のかたまりなので、これが原因で太ってしまうということもない。
トレーニングでしっかり体を使ったら栄養補給も怠らないようにしてほしい。
はじめはコスパのいいものを選んでみて続けられるか試してみよう。
まとめ
お腹のダイエットには有酸素運動が効果的だ。フッキンや筋トレと組み合わせれば、その効果は何倍にもなる。有酸素運動で脂肪が燃える仕組みをしっかり理解できれば、なんとなく取り組んでいたことにも意味を見いだすことができるだろう。それでもやりたくない人のために今回は3プランも用意した。ぜひがんばってみてほしい。
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お腹のダイエットにはもちろんフッキン運動も有効である。こちらの記事で正しいやり方を理解しよう。
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